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「TASUKI -襷- Project」第2回共同進捗報告会を開催!〜宮崎・茨城・東京の4校が調査結果を共有し、環境DNA・水質・現地観察をつなぐ分析へ〜
株式会社リバネスが主催・運営する、次世代とともに実環境の生物多様性評価に挑戦する「TASUKI -襷- Project」において、2026年8月26日(水)および2026年8月27日(木)に「第2回共同進捗報告会」をオンラインで実施しました。宮崎・茨城・東京の4校5チームが、夏季のフィールド調査で得た水質、生物、河川環境等のデータや研究の進捗を共有。専門家やプロジェクトパートナーとの議論を通じて、仮説の磨き込み、比較条件のそろえ方、環境DNAデータの読み解き方を学び、次の調査と分析に向けた方針を具体化しました
【報告会の様子】



【報告会のハイライト】
第1回では研究テーマと調査計画を中心に議論しましたが、第2回では、各校が実際に現場へ足を運び、集めたデータをもとに議論しました。数値だけで結論を急ぐのではなく、調査地点の周辺環境、目視で確認した生物、河川の構造、天候などの一次情報を組み合わせ、「なぜこの差が生じたのか」を考えることを重視しました。
宮崎エリアでは、アユの遡上条件、標高に伴う河川環境の変化、魚類・水環境とホタルの発生との関係について報告しました。関東エリアでは、霞ヶ浦へ流入する河川の違いと、ヨシノボリ属の生息環境・種間関係について、現地調査の結果を交えて議論しました。
また、学校ごとの研究を深めるだけでなく、各校が共通項目を同じ方法で記録し、同じ形式で可視化する「データの型」を共有。宮崎・茨城・東京のデータをつなぎ、地域を越えて生物多様性を比較するTASUKIチームとしての研究も進めていきます。
【各校の発表概要】
宮崎県立延岡高等学校(Aチーム)
地域資源であるアユの遡上条件を明らかにし、保全や水産業に生かすことを目指しています。大瀬川の上流・中流・下流で得る環境DNAと、水温、水深、流量、川底の形状、産卵場所の有無などの環境情報を組み合わせる計画を共有しました。議論を通じて、「どの条件が、どの時期の移動に関係するのか」という仮説をより明確にしていく方針を確認しました。
宮崎県立延岡高等学校(Bチーム)
五ヶ瀬川と祝子川の標高100m・300m・500m地点を比較し、水質や生物相がどのように変化するかを調べています。標高500m地点では、測定した水質項目がおおむね低い値を示し、きれいな水に生息する水生昆虫も確認しました。今後は300m・100m地点へ調査を広げ、住宅や工場など周辺環境との位置関係も地図や写真で記録しながら検証します。
延岡市立北川中学校
同じ地域内でもホタルが多い川と少ない川があることに着目し、魚類相、水質、川の構造との関係を調べています。事前観察で確認したホタルの発生数の違いをもとに比較地点を選び、環境DNA調査と水質・環境調査を組み合わせる計画を発表しました。ホタルが生息しやすい川に共通する条件を明らかにすることを目指します。
茨城県立土浦第一高等学校
富栄養化が課題となっている霞ヶ浦について、流入河川が水質と生物多様性に与える影響を調べています。複数の流入河川で魚類、エビ類、プランクトン、水質を調査し、河川間でCODやアンモニウム態窒素等に差が見られました。今後は、土地利用の違いを捉えられるよう調査地点を増やすとともに、調査時刻、天候、調査人数・時間などの条件をそろえ、比較の精度を高めます。
東京都立立川高等学校 生物部
関東地方に生息するヨシノボリ属の種間関係を明らかにするため、23地点で生物と河川環境を調査しました。区画ごとに水深、流速、底質、隠れ場所となる構造等を記録し、初期解析ではカワヨシノボリの個体数と流速・底質との関連が示されました。今後は、環境要因同士の影響を切り分けるとともに、餌生物、捕食者、競合種といった生物間の関係や、環境DNAの結果も加えて分析を深めます。
【集めたデータを「見える化」し、次の疑問へ】
共通講座では、研究は「予想と答え合わせ」の繰り返しであり、集めたデータをグラフなどで見える化することで、地点間の違いやデータ同士の関係が見えてくることを学びました。散布図による水質と種数の関係の確認、構成比による魚類相の比較など、目的に応じた整理方法の紹介も行っています。
環境DNAについては、検出されたDNA量がそのまま個体数や生物量を示すとは限らないこと、採水した水にDNAが偶然含まれず未検出となる場合がある点を再確認しました。そのうえで、地点ごとの構成比や検出の有無、魚種数として整理し、現地観察や既往文献と照合して解釈する方法を身につけました。
【今後の展望】
各校は、今回の助言をもとに追加調査とデータ整理を進めます。次回の共同進捗報告会では、調査結果をグラフや図表にまとめ、研究成果を他者に伝える方法を磨きます。さらに、サイエンスキャッスル ワールド 2026での発表を通じて、地域の自然から得た発見を全国の中高生や研究者へ伝え、生物多様性を守り、より良くするために行動する仲間を増やしていきます。
【企業・学校の皆様へ】
TASUKI -襷- Projectでは、地域の自然を題材に探究・研究へ挑戦したい学校、生物多様性評価や環境DNA、水質・生態系調査等の技術・知見を次世代育成につなげたい企業・団体からのご相談を受け付けています。共同調査、研究伴走、技術提供、地域展開など、目的に応じた関わり方を一緒に検討します。ご関心をお持ちの方は、下記までお気軽にお問い合わせください。
【本件に対するお問い合わせ先】
株式会社リバネス
知識創業研究センター
担当:中嶋 香織、橋本 光平
TEL:03-5227-4198